
「ガクチカ バイトしかない」と検索したあなたへ。サークルの代表や留学の話をする人を見て、「自分はアルバイトしかない」と不安になった人もいると思います。この記事では、会社が選考で何を重視しているかを、調査の数字で答えます。
✔ 結論
ガクチカがアルバイトの話でも、それだけで不利にはなりません。
経団連の調査では、会社が選考で特に重視した点の1位は「コミュニケーション能力」で、82.4%の会社が選んでいました。
「留学経験」を選んだ会社は0.5%でした。
大学生の86.4%はアルバイトをしていて、アルバイトの話をする学生はめずらしくありません。
目次
1. ガクチカがバイトしかないのは、不利なのか
「ガクチカ」とは
「ガクチカ」は、「学生時代に力を入れたこと」を短くした言葉です。ESや面接で、よく聞かれます。
アルバイトの話でも、それだけで不利にはならない
ガクチカがアルバイトの話でも、それだけで不利にはなりません。会社が選考で見ているのは、何をしたかより、どんな人かだからです。このあと、会社が選考で重視している点を、調査の数字で見ていきます。
大学生の86.4%が、アルバイトをしている
日本学生支援機構は、大学生の暮らしについて調べる「学生生活調査」をしています。2024年度の調査では、昼の大学に通う学部生のうち、この1年間にアルバイトをした学生は86.4%でした。前の調査(2022年度)より、2.6ポイント増えています。
同じ調査では、昼の大学に通う学部生の1年間の収入のうち、アルバイトの収入が25.0%をしめていました。前の調査の19.1%から増えています。大学生の多くが、アルバイトをしています。アルバイトの話をする学生は、めずらしくありません。
就職の不安を持つ大学生は、約7割
同じ調査では、学生の不安や悩みも聞いています。昼の大学に通う学部生のうち、「希望の就職先や進学先へ行けるか不安だ」に「大いにある」「少しある」と答えた学生は、合わせて68.9%でした。
就職の不安を持っているのは、あなただけではありません。
2. 会社は、選考で何を重視しているか
経団連の調査で、会社が選考で特に重視した点
経団連は、日本の会社が入っている経済団体です。1997年度から、会員の会社に新卒の採用についてのアンケートを行ってきました。2018年度の調査では、20の項目から5つを選ぶ形で、選考で特に重視した点を聞いています。上位の5つは次のとおりです。
| 順位 | 選考で特に重視した点 | 選んだ会社の割合 |
|---|---|---|
| 1位 | コミュニケーション能力 | 82.4% |
| 2位 | 主体性 | 64.3% |
| 3位 | チャレンジ精神 | 48.9% |
| 4位 | 協調性 | 47.0% |
| 5位 | 誠実性 | 43.4% |
出どころ:経団連「2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」
(2019年4月に入社する人の採用についての調査です。回答した597社のうち、約7割は社員1,000人以上の会社です)
コミュニケーション能力は、この調査で16年続けて1位でした。
上位の5つは、どれも「どんな人か」を表す言葉
上の5つは、どれも「どんな人か」を表す言葉です。「何をしたか」を表す言葉は、上位に入っていません。
20の項目の中に、「アルバイト」「サークル」はない
20の項目の中に、「アルバイト」や「サークル」という項目はありません。会社は、学生が何の活動をしたかを選んでいるのではなく、どんな人かを見ていたということです。
6位から下の項目
同じ調査では、20の項目すべての結果も出ています。6位から下は次のとおりです(「その他」を除く)。
| 項目 | 選んだ会社の割合 |
|---|---|
| ストレス耐性 | 35.2% |
| 論理性 | 23.6% |
| 責任感 | 22.1% |
| 課題解決能力 | 19.8% |
| リーダーシップ | 17.1% |
| 柔軟性 | 15.0% |
| 潜在的可能性(ポテンシャル) | 13.5% |
| 専門性 | 12.0% |
| 創造性 | 11.1% |
| 信頼性 | 10.9% |
| 一般常識 | 6.5% |
| 語学力 | 6.2% |
| 履修履歴・学業成績 | 4.4% |
| 留学経験 | 0.5% |
3. 人事は、ガクチカの話から何を見ているか
人事は、ガクチカの話から人柄や話す力を知ろうとしている
人事は、ガクチカの話を聞いて、あなたの人柄や話す力を知ろうとしています。私は、大手の人材会社2社で約5年、就活と転職の相談を受けてきました。その中で見てきた中では、大学名で学生をしぼっていなかった会社は、面接で人柄を見ていました。
人と話す力は、新卒でも転職でも見られる
元人材会社のキャリアアドバイザー
芝山 駿
人材会社では、社会に出て数年以内の人の転職も手伝ってきました。
その面接でも、人と話す力は新卒と同じように見られていました。
人と話す力は、新卒でも転職でも見られる力です。
アルバイトの話でも、人柄や話す力は伝わります。
大手には、大学名で人数をしぼる会社もある
元人材会社のキャリアアドバイザー
芝山 駿
人材会社にいたときに見てきた中では、大学名で学生をしぼっていたのは大手の会社でした。
そうした会社では、ESの段階で落ちて、面接まで進めないことがありました。
なので、ESで落ちたときに、その理由がガクチカの中身だとは限りません。
活動の名前より、その人がどんな人か
2章で見た経団連の調査では、上位に入ったのは「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」「協調性」「誠実性」でした。一方で、「専門性」は12.0%、「語学力」は6.2%、「留学経験」は0.5%でした。
会社が選んだ項目を見ると、どんな活動をしたかより、その人がどんな人かを見ていたことが分かります。アルバイトという活動の名前だけで、評価が決まるわけではありません。
💡 ポイント
会社が選考で特に重視した点の上位は、どれも「どんな人か」を表す項目でした。アルバイトの話でも、人柄や話す力は伝わります。
4. 「サークルや留学の話がないと不利?」
不利ではありません。
サークル活動の時間が週0時間の学生は、53.7%
日本学生支援機構の2024年度の調査では、授業がある時期のふつうの1週間について、生活の時間も聞いています。昼の大学に通う学部生のうち、部活動・サークル活動の時間が「0時間」と答えた学生は53.7%でした。
同じ調査で、アルバイト・定職の時間が「0時間」と答えた学生は19.3%でした。
アルバイトを週11時間以上している学生は、約半数
同じ調査で、授業がある時期のふつうの1週間に、アルバイト・定職の時間が11時間以上と答えた学生は、合わせて50.9%でした。
| 1週間のアルバイト・定職の時間 | 答えた学生の割合 |
|---|---|
| 0時間 | 19.3% |
| 1〜10時間 | 29.4% |
| 11〜20時間 | 40.0% |
| 21時間以上 | 10.9% |
出どころ:日本学生支援機構「令和6年度 学生生活調査結果」(昼の大学に通う学部生。無回答の0.5%は表に入れていません)
アルバイトに多くの時間を使っている大学生は、めずらしくありません。
「留学経験」を選んだ会社は0.5%
2章で見た経団連の調査で、選考で特に重視した点に「留学経験」を選んだ会社は0.5%でした。20の項目の中で、いちばん低い割合です。
「リーダーシップ」を選んだ会社は17.1%
アルバイトでリーダーなどの役についていないと、話せることがないと思う人もいるかもしれません。同じ調査で、「リーダーシップ」を選んだ会社は17.1%でした。1位の「コミュニケーション能力」(82.4%)や、2位の「主体性」(64.3%)より、ずっと低い割合です。
サークルでも、留学でも、アルバイトでも、人事が知りたいのはあなたの人柄です。
💡 ポイント
サークル活動が週0時間の大学生は53.7%でした。選考で「留学経験」を特に重視した会社は0.5%、「リーダーシップ」は17.1%でした。
5. 大学の成績は、見られるのか
面接で成績を重視した会社は67.1%
同じ経団連の調査では、面接のときに履修履歴(成績証明書など)をどう扱ったかも聞いています。「かなり重視した」「やや重視した」と答えた会社は、合わせて67.1%でした。今後については、「かなり重視する」「やや重視する」と答えた会社が、合わせて74.2%でした。
出どころ:経団連「2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」
「特に重視した点」に成績を選んだ会社は4.4%
一方で、選考で特に重視した点(20の項目から5つ選ぶ質問)に「履修履歴・学業成績」を選んだ会社は4.4%でした。成績は面接で見られることが多いものの、特に重視する5つに入れた会社は少なかった、ということです。
アルバイトの話と、成績の話は別
ガクチカの話と、成績を見られることは、別の話です。ガクチカがアルバイトの話でも、成績は成績として見られます。成績を見られることは、アルバイトの話が不利かどうかとは関係がありません。
経団連の調査を読むときの注意
この記事で使っている経団連の調査には、気をつける点が2つあります。1つ目は、2018年度の調査だという点です。2019年4月に入社する人の採用について聞いています。
2つ目は、答えた会社が大きな会社に寄っている点です。経団連の会員の1,376社に聞いて、597社が答えました。答えた会社の約7割は、社員1,000人以上の会社です。なので、小さな会社の考え方は、この調査には入りにくくなっています。
6. アルバイトの経験と、28卒の求人
大学名を問わない求人は、129件のうち104件
私たちが扱っている28卒の求人は、2026年11月6日時点で129件ありました。
| 中身 | 件数 |
|---|---|
| 学歴不問の求人 | 104件 |
| 営業の仕事に就く可能性がある求人 | 94件 |
※営業の94件には、入社してから仕事が決まる求人29件が入っています。129件のうち104件は、大学名を問わない求人です。
ただし、学歴不問の104件のうち10件は、「会社ごとの大学リストを確かめてから紹介する」決まりになっていました。
営業の仕事は、お客さんと話すことが中心
営業は、お客さんと話すことが中心の仕事です。営業の仕事に就く可能性がある求人は、129件のうち94件でした。
アルバイトで人と話してきた経験
多くのアルバイトでも、お客さんや一緒に働く人と話す場面があります。なので、アルバイトで人と話してきた経験は、営業の面接でもそのまま話せます。
採りたい人数に届かない会社もある
経団連の2018年度の調査では、新卒の採用で「計画に届かない」と答えた会社が33.0%でした。新卒の採用は「前の年より学生に有利」と答えた会社は81.7%で、3年続けて8割をこえていました。
出どころ:経団連「2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」
2025年12月に政府の会議がまとめた資料でも、採りたい人数を採れたと答えた会社の割合は、2025年卒では3割台でした。
出どころ:内閣府・文部科学省・厚生労働省・経済産業省「2027年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」(2025年12月26日・関係省庁連絡会議)
💡 ポイント
私たちが扱う28卒の求人129件のうち、104件は大学名を問わない求人で、94件は営業の仕事に就く可能性がある求人でした。人と話す力を見る会社は多くあります。
ガクチカがバイトしかないときによくある質問
まとめ
- ガクチカがアルバイトの話でも、それだけで不利にはなりません。
- 会社が選考で特に重視した点の1位は「コミュニケーション能力」でした(経団連・2018年度・82.4%)。「留学経験」は0.5%でした。
- 大学生の86.4%がアルバイトをしていて、サークル活動が週0時間の学生は53.7%でした(日本学生支援機構・2024年度)。
- 大学名で絞っていなかった会社は、面接で人柄を見ていました。
- 面接で成績を「重視した」会社は67.1%でした。ガクチカの話とは別に、成績も見られています。
- 私たちが扱う28卒の求人129件のうち、104件は学歴不問でした。
アルバイトしかないと思っていても、その経験のままで受けられる会社はあります。
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この記事を書いた人
Against株式会社 代表 芝山 駿
大手の人材会社2社で、約5年間キャリアアドバイザーとして働いてきました。
新卒と中途の両方で、1万人以上の就活・転職の相談を受けてきました。
その経験から、人事が本当に見ているところを書いています。








