
「営業 から 転職 営業以外」と検索したあなたへ。営業を続けるのがしんどくて、別の仕事を考えている人に向けて書きました。どの仕事なら移りやすいかを、国の数字と、人事の見方から順番に書きます。
✔ 結論
営業から、営業以外の仕事に移ることはできます。
ただ、仕事によって求人の多さが大きく違います。ハローワークでは、一般事務の求人は、仕事を探す人1人あたり0.29件でした(厚生労働省・2026年9月)。
営業の経験を話しやすい仕事を選ぶと、面接で理由を説明しやすくなります。
目次
1. 営業から営業以外には行ける?まず数字で見る
「有効求人倍率」は、1人あたりの求人の数
厚生労働省は、毎月、ハローワークの求人の数と、仕事を探している人の数を出しています。「有効求人倍率」は、仕事を探している人1人に対して、求人が何件あるかを表す数字です。1より大きいと、仕事を探している人より、求人の方が多いということです。
1より小さいと、求人より、仕事を探している人の方が多いということです。
2026年9月の、仕事ごとの数字
2026年9月の数字(パートを除く)は、次のとおりでした。
| 仕事 | 仕事を探す人1人あたりの求人 |
|---|---|
| 建築・土木・測量の技術者(施工管理を含む) | 6.90件 |
| 介護の仕事 | 3.54件 |
| 営業の仕事 | 2.19件 |
| お店で物を売る仕事 | 1.91件 |
| IT(情報処理・通信の技術者) | 1.48件 |
| 全部の仕事の平均 | 1.18件 |
| 営業事務・販売事務 | 0.90件 |
| 会計の事務 | 0.52件 |
| 一般事務 | 0.29件 |
営業の仕事は、平均より求人が多い仕事です。一方で、事務の仕事は、どれも平均より求人が少ないです。
出どころ:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)について」(2026年10月30日公表)の参考統計表
数字を見るときの注意
この数字は、ハローワークに出ている求人だけで数えています。転職サイトや人材会社の求人は入っていません。また、パートの求人は除いた数字です。
それでも、どの仕事に人が集まっているかを比べるときの目安になります。
営業の求人が多いことも、知っておく
2026年9月、ハローワークの営業の求人は6万9,623件でした。営業の仕事を探していた人は、3万1,758人でした。営業の仕事は、探している人の2倍以上の求人がある仕事です。
営業以外を考えるときも、「別の会社の営業」という選び方が残っていることは覚えておいてください。営業そのものが嫌なのか、今の会社の営業が嫌なのかで、選べる求人の数が大きく変わるからです。
2. 求人が少ない仕事:事務の仕事
一般事務は、求人1件に3人以上が集まっている
2026年9月、ハローワークで一般事務の仕事を探していた人は、25万4,639人でした。一般事務の求人は、7万4,230件でした。求人1件に対して、探している人が3人以上いる計算です。
そのため、一般事務だけにしぼると、応募しても通りにくいことがあります。
同じ事務でも、求人の多さは違う
事務の仕事にも、いくつか種類があります。営業事務・販売事務は0.90件で、一般事務の3倍くらいの数字です。会計の事務は0.52件でした。
会計の事務は、お金の出入りを記録したり、計算したりする仕事です。面接では、簿記(お金の記録のしかた)の知識があるかを聞かれることがあります。「事務」とひとくくりにせず、どの事務かで分けて見ると、選べる求人が変わります。
事務を目指すなら、営業の経験を話せる事務を選ぶ
営業事務は、営業の人が使う資料を作ったり、見積もりや注文の手続きをしたりする仕事です。営業をしてきた人は、営業の人が何に困るかを知っています。そのため、面接で「営業をしていたから、この仕事に向いている」と説明しやすいです。
事務の仕事で見られること
事務の仕事は、1日の多くをパソコンの前で過ごします。そのため面接では、パソコンで何ができるかを聞かれやすいです。たとえば、表を作るソフトで、数字を入力したり、合計を出したりしたことがあるかです。
営業で見積もりや報告の資料を作ってきた人は、その中身をそのまま話せます。
💡 ポイント
事務を考えるなら、一般事務だけでなく、営業事務も候補に入れてください。
営業事務は、一般事務より求人が多く、営業の経験も話しやすい仕事です。
3. 求人が多い仕事:営業の経験を使える、営業以外の仕事
施工管理(工事の現場を管理する仕事)
施工管理は、工事が予定どおり、安全に進むように、現場を管理する仕事です。国の職業の分け方では、施工管理は「建築・土木・測量の技術者」に入ります。この仕事は、仕事を探す人1人あたり6.90件の求人がありました。
職人さんと毎日話すので、人と話すことに慣れている人は、その経験を使えます。
元人材会社のキャリアアドバイザー
芝山 駿
人材会社にいたとき、施工管理の未経験の面接でよく聞かれていたのは、次の2つでした。
- 体力に自信があるか(スポーツの経験など)
- 職人さんと話せるか(言葉が強い人もいます)
営業で、いろいろなお客さんと話してきた人は、2つ目を具体的に話せます。
出どころ:厚生労働省「令和4年版 厚生労働省編職業分類表」(「建築・土木・測量技術者」の中に「建築施工管理技術者」「土木施工管理技術者」がある)
IT(エンジニアなど)
ITの技術者の求人は、仕事を探す人1人あたり1.48件で、平均より多いです。国の職業の分け方では、ITの仕事には、プログラムを作る仕事のほかに、次のような仕事も入っています。
- ITヘルプデスク(パソコンやシステムの困りごとに答える仕事)
- システムの運用(システムが止まらないように見守る仕事)
ヘルプデスクのように、人の困りごとを聞く仕事は、営業でお客さんの話を聞いてきた経験を話しやすいです。ただ、ITは入ってからも勉強が続く仕事です。応募する前に、無料の教材などで少し勉強してみてください。
続けられそうかどうかが、自分で分かります。面接で「今どんな勉強をしているか」を聞かれたときにも、その中身を話せます。
人と話す仕事のまま、売らない仕事を選ぶ
営業の「売ること」がつらくて、人と話すことは苦ではない人もいます。その場合は、介護(3.54件)のように、人と関わるけれど物を売らない仕事も選べます。お店で物を売る仕事(1.91件)は、売る仕事ですが、知らない人に電話をかけることはほとんどありません。
どの仕事にも、体力や働く時間など、合う・合わないがあります。面接で、1日の流れと、働く時間を確かめてください。
給料は、求人票の中身まで比べる
未経験の仕事に移ると、最初の給料が今と変わることがあります。求人票の月給を見るときは、何が含まれているかまで確かめてください。月給の中に、決まった時間分の残業代が先に入っている求人もあります(固定残業代)。
固定残業代がある会社は、何時間分でいくらかを求人票に書くことになっています(2024年4月からのルール)。その場合は、何時間分の残業代が入っているかを見てください。営業の給料に、成果で増える分(インセンティブ)が入っていた人は、その分を除いて比べると分かりやすいです。
出どころ:厚生労働省「企業から受ける労働条件明示のルールが変わります!」
4. まず、営業の「何が」嫌なのかを分ける
人と話すこと自体がつらい
この場合は、営業以外の仕事を考えてください。ただ、施工管理やヘルプデスクのように、営業以外でも人と話す仕事はあります。人と話す時間が少ない仕事を選ぶなら、事務や、作る側のITの仕事が候補になります。
ノルマがつらい
ノルマは、会社が決めた売上の目標のことです。ノルマの決め方は、会社によって違います。1人ずつ目標を持つ会社もあれば、チームで目標を持つ会社もあります。
目標に届かなかったときにどうなるかも、会社によって違います。面接で、目標の決め方と、届かなかったときのことを聞いてみてください。
知らない人への電話や、飛び込みがつらい
知らない会社に電話をかけない営業もあります。すでに取引がある会社を回る「ルート営業」や、問い合わせをくれたお客さんに対応する「反響営業」です。ノルマや電話だけがつらいなら、営業以外に移らなくても解決することがあります。
残業や休みの少なさがつらい
この場合は、営業という仕事より、今の会社や業界の働き方が原因のことがあります。営業以外に移っても、残業が多い会社はあります。仕事を選ぶ前に、求人票と面接で、残業の時間と休みの日数を確かめてください。
💡 ポイント
「営業が嫌」の中身によって、選ぶ仕事は変わります。
人と話すこと自体がつらいなら営業以外を、ノルマや電話がつらいなら別の会社の営業も比べてください。
5. 営業以外に移るとき、人事が見ていること
未経験の人は、入ってから覚える前提で採られる
営業以外の仕事は、あなたにとって未経験の仕事です。未経験の人を採るとき、会社は、入ってから仕事を覚えてもらう前提で採ります。そのため、今の知識より、覚える気持ちがあるかを見られます。
元人材会社のキャリアアドバイザー
芝山 駿
人材会社にいたときに見てきた中では、第二新卒(学校を出て数年以内に転職する人)の採用は、今の力よりも、これからを見る採用でした。
面接でよく聞かれる2つのこと
営業以外に移るとき、面接では次の2つを聞かれやすいです。
- なぜ営業を辞めて、その仕事を選ぶのか
- 営業で身についたことを、次の仕事でどう使えるか
1つ目に答えられないと、人事は「次の仕事も合わなかったら、また辞めるかもしれない」と考えます。2つ目は、営業の経験が次の仕事で役に立つことを伝える話です。
💡 ポイント
人事が安心するのは、辞めた理由と、次の仕事を選んだ理由がずれていないときです。
たとえば「人と話すこと自体がつらい」が理由なのに、人と話す時間が長い仕事を選ぶと、人事は不思議に思います。
営業の経験を、次の仕事の言葉で話す
営業の経験は、そのままの言葉で話すと、次の仕事と関係がないように聞こえることがあります。たとえば、営業事務を受けるなら「営業の人が、見積もりの何に困っていたかを知っている」と話せます。施工管理を受けるなら「年上のお客さんとも話してきた」と話せます。
ヘルプデスクを受けるなら「お客さんの困りごとを聞いて、答えを返してきた」と話せます。自分がしてきた営業の仕事を書き出して、次の仕事で使える部分を選んでください。
年齢で応募を断られることはある?
求人で年齢を条件にすることは、法律で原則禁止されています。ただし例外があります。正社員として長く働いてもらい、育てるために若い人を募集するときは、年齢の上限を書いてよいことになっています。
そのため、未経験の求人の中には、年齢の上限が書かれているものもあります。
出どころ:ハローワークインターネットサービス「年齢制限該当事由について」
6. 待った方がいい人と、動いていい人
もう少し待った方がいい人
- 営業の何が嫌なのかを、自分でもまだ言えない人
- 次にやりたい仕事が、まだ1つも思い浮かばない人
- 体調を崩している人(転職より先に、休むことと、医師への相談を優先してください)
まだ言えない人は、まず、今週つらかった場面を3つ書き出してみてください。書き出すと、営業そのものがつらいのか、今の会社のやり方がつらいのかが分かりやすくなります。
今動いていい人
- 人と話すこと自体がつらいなど、営業という仕事そのものが合わないと分かっている人
- 次にやりたい仕事があり、営業の経験をどう使うかを言える人
- 今の会社で部署を変えてもらっても、同じことがつらいと分かっている人
働きながら探すか、辞めてから探すか
辞めてから探すと、仕事が決まるまで給料が入りません。雇用保険の失業手当(基本手当)は、自分から辞めた場合、辞める前の2年間に、雇用保険に入っていた期間が12か月以上あることが条件です。
条件を満たしても、自分から辞めた場合は、手続きをしてから7日たった後、原則1か月はもらえません(2025年4月1日以降に辞めた人)。お金の不安がある人は、働きながら探す方が落ち着いて選べます。働きながら探すと、面接の日程を合わせるのが大変なこともあります。
その場合は、夜や土日に面接できるかを、応募するときに聞いてみてください。
出どころ:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」/厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」
営業以外の求人で、面接の前に確かめること
未経験で入る仕事は、入ってからのことが想像しにくいです。面接では、次のことを聞いてみてください。
- 入ってから最初の数か月、何をするのか
- 仕事は、誰に、どう教わるのか
- 残業は、月に何時間くらいか
- 営業の経験を、どの場面で使ってほしいか
これに具体的に答えてくれる会社は、未経験の人を受け入れる準備ができています。答えがあいまいな会社は、入る前にもう一度確かめた方が安全です。
営業から営業以外への転職でよくある質問
まとめ
- 営業から営業以外に移ることはできます。ただ、仕事によって求人の多さが違います。
- 一般事務は、仕事を探す人1人あたりの求人が0.29件で、求人1件に3人以上が集まっています(厚生労働省・2026年9月)。
- 営業事務・施工管理・ITのように、営業の経験を話せる仕事を選ぶと、面接で理由を説明しやすくなります。
- まず、営業の「何が」嫌なのかを分けてください。ノルマや電話だけがつらいなら、別の会社の営業も選べます。
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この記事を書いた人
Against株式会社 代表 芝山 駿
大手の人材会社2社で、約5年間キャリアアドバイザーとして働いてきました。
新卒と中途の両方で、1万人以上の就活・転職の相談を受けてきました。
その経験から、人事が本当に見ているところを書いています。





