
「施工管理 未経験 やめとけ」と検索したあなたへ。施工管理は、合う人と合わない人がはっきり分かれる仕事です。未経験だから無理、という仕事ではありません。この記事では、「やめとけ」と言われる理由、国の決まりが変わったところ、面接で見られるところ、入っていい会社の見分け方を順番に書きます。
✔ 結論
施工管理は、未経験から入る人もいる仕事です。「やめとけ」と言われる理由は、朝の早さ・休みの少なさ・書類の多さにあります。
2024年4月からは、建設業にも残業時間の上限ができました(厚生労働省)。
入る前に、残業・休み・最初の数か月の中身を面接で聞けば、育てる準備がある会社かどうかが分かります。
目次
1. 施工管理は、どんな仕事か
工事を自分でするのではなく、段取りを組む仕事
施工管理は、工事の現場で、工事が予定どおりに進むように管理する仕事です。自分で工具を持って工事をするわけではありません。工事をするのは、職人さんです。
施工管理の人は、職人さんが動きやすいように段取りを組みます。たとえば、「明日はどの職人さんが、どの場所で、何の作業をするか」を決めて、材料が届く日を合わせます。
見るのは「工程・品質・安全・お金」の4つ
施工管理の人が見るものは、主に次の4つです。
- 工程:工事が予定の日までに終わるか
- 品質:図面どおりにできているか
- 安全:事故が起きないか
- お金:予算の中に収まっているか
4つのうち1つだけを見ればいい、という日はあまりありません。工事を急げば、安全やお金に影響が出ます。この4つのバランスを毎日考えるのが、施工管理の仕事です。
職人さんとの違い
職人さんは、自分の手で工事をする人です。施工管理の人は、工事をする人ではなく、工事全体を管理する人です。職人さんは、決まった作業の技術を、何年もかけて身につけていきます。
施工管理の人は、いろいろな職人さんの作業を組み合わせて、1つの建物や道路を完成させます。未経験の人が施工管理から入りやすいのは、最初に求められるのが工事の技術ではなく、段取りと人と話す力だからです。
1日の流れ
1日の流れは、現場によって違います。よくある流れは、次のとおりです。
- 朝、職人さんが来る前に現場に着いて、その日の作業と安全の確認をする
- 日中は現場を回って、作業が図面どおりに進んでいるかを見る
- 職人さんや、工事を頼んだお客さんと打ち合わせをする
- 現場が終わったあとに、写真の整理や日報を書く
外を歩いて回る時間と、パソコンで書類を作る時間の両方がある仕事です。
2. 「施工管理はやめとけ」と言われる理由
Yahoo!知恵袋にも、「施工管理職ってやめといた方がいいんでしょうか」という質問が出ています。よく言われる理由は、次の3つです。
朝が早く、現場が終わったあとに書類がある
現場は朝から動き出します。施工管理の人は、それより先に現場に着いています。写真の整理や日報は、現場が終わってから書くことが多いです。
そのため、1日が長く感じやすい仕事です。
休みが少ない現場が、まだ多い
国土交通省の資料では、建設業の働き方について次のように書かれています。
- 建設業は、全部の産業と比べて、1年間に出勤する日が11日多い
- 建設業は、全部の産業と比べて、1年間に働く時間が62時間長い
- 技術者(施工管理の人など)も職人さんも、週休2日がとれていない場合が多い
- 一番多いのは「4週間で6日休み」くらいの働き方
出どころ:国土交通省「改正建設業法について」(令和6年12月)(出勤日と働く時間は厚生労働省「毎月勤労統計調査」をもとに国土交通省が作成)
同じ資料では、国や自治体が頼む工事(公共工事)の方が、週休2日以上の割合が高いことも書かれています。ただし、これは建設業全体の数字です。週休2日の会社もあれば、そうでない会社もあります。
工事の終わりが近づくと、忙しくなる
工事には、終わらせる日が決まっています。その日が近づくと、残りの作業を急いで進めることになります。天気が悪くて作業が止まった日があると、その分を後で取り戻す必要もあります。
「やめとけ」が当てはまりやすい会社
3つの理由は、どの会社にも同じだけあるわけではありません。当てはまりやすいのは、次のような会社です。
- 面接で残業時間を聞いても、「時期による」としか答えない会社
- 休みの日数を、求人票にはっきり書いていない会社
- 未経験の人に、入ってすぐ一人で現場を任せる会社
2024年4月から残業に上限ができたので、会社は残業時間を数えて管理する必要があります。それでも残業時間を答えない会社は、管理ができていないか、言いにくい数字なのかもしれません。
💡 ポイント
「やめとけ」の理由は、朝の早さ・休みの少なさ・終わりが近いときの忙しさです。どれも会社と現場によって差があるので、入る前に確かめられます。
3. 2024年から、国の決まりが変わった
建設業にも、残業の上限ができた
働く時間は、法律で原則1日8時間・週40時間までと決まっています。これを超えて働いた分が残業です。建設業は、残業の上限の決まりが5年間先送りされていました。2024年4月からは、建設業にもこの決まりが当てはまっています。
- 残業は、原則として月45時間・年360時間まで
- 特別な事情があっても、年720時間まで
- 1か月の残業と休日の仕事を足して、100時間未満
- 2〜6か月の平均で、残業と休日の仕事を足して80時間以内
- 月45時間を超えてよいのは、1年のうち6か月まで
※災害の復旧・復興の工事には、一部ちがう決まりがあります。
出どころ:厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」
資格の1回目の試験が、未経験でも受けられるようになった
施工管理技士は、施工管理の国家資格です。試験は「第一次検定」と「第二次検定」の2回に分かれています。2024年度から、1級の第一次検定は、19歳以上なら学歴や経験に関係なく受けられます。2級の第一次検定は、17歳以上なら受けられます。
つまり、文系の大学を出た人でも、高校を出た人でも、未経験で入った1年目から資格の勉強を始められます。
2回目の試験までに、どれくらいかかるか
第二次検定は、第一次検定に受かったあとに、現場で働いた経験が必要です。2級の第二次検定は、次のどちらかで受けられます。
- 2級の第一次検定に受かったあと、現場で3年以上働く
- 1級の第一次検定に受かったあと、現場で1年以上働く
2028年度までは、前の決まりで受けることも選べます。
出どころ:国土交通省「令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります」
資格は、工事の種類ごとに分かれている
施工管理技士の試験は、工事の種類ごとに分かれています。国土交通省の案内には、次の7つの種類が出てきます。
- 土木
- 建築
- 電気工事
- 管工事(水道やエアコンの配管など)
- 造園
- 電気通信工事
- 建設機械
どの資格を取るかは、入った会社が主にどんな工事をしているかで決まります。試験の種類によって決まりが違う場合があるので、受ける前に試験を行う団体の案内を確かめてください。
4. 会社は、未経験の人のどこを見ているか
工事の知識は、入ってから覚えるもの
未経験の採用で、会社は工事の知識を求めていません。入ってから覚えるものだと考えているからです。その代わりに見ているのは、次のようなところです。
- 毎朝、決まった時間に現場に来られるか
- 分からないことを、自分から聞けるか
- 年上の職人さんと、普通に話ができるか
車の免許を、応募の条件に入れている会社もあります。現場まで車で行くことがあるからです。
面接でよく聞かれる2つ
元人材会社のキャリアアドバイザー
芝山 駿
人材会社にいたときに見てきた中では、施工管理の未経験の面接で、会社はよく次の2つを聞いていました。
1つ目は、体力に自信があるかです。
施工管理は、現場を歩いて回る、体力がいる仕事だからです。
スポーツをやっていたかを聞かれることもあります。2つ目は、誰とでも話せるかです。現場では、職人さんと毎日話します。
職人さんには、言葉が強い人もいます。なので、そういう人とも気にせず話せるかを見ています。面接では、「部活やバイトで、年上の人とどう話していたか」を具体的に話せると、会社はイメージしやすくなります。
志望動機で伝えたいこと
未経験の人の志望動機で、工事の専門的な話をする必要はありません。会社が聞きたいのは、「この人は現場で続けられそうか」です。なので、体力に自信がある理由と、年上の人と話すのが苦にならない理由を、自分の経験で話すのが一番伝わります。
「ものづくりに興味がある」だけで終わると、会社は続けられるかどうかを判断できません。
「施工管理は未経験だと何歳まで?」
募集で年齢の上限を決めることは、法律で原則として禁止されています(労働施策総合推進法)。ただし、例外があります。職業経験を問わずに、正社員として若い人を長く育てる募集では、年齢の上限を決めてもいいことになっています。
厚生労働省の資料では、ここでいう「若い人」は、基本的には35歳未満を考えている、と書かれています。ただし、35歳未満に限るわけではない、とも書かれています。
出どころ:厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」/同 リーフレット「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」
そのため、未経験の施工管理の求人では、年齢の上限を決めている会社があります。上限があるかどうかは、求人ごとに違います。また、建設業は若い人が少ない業界です。
国土交通省によると、2023年の建設業で働く人のうち、55歳以上は36.6%、29歳以下は11.6%でした。国土交通省は、次の世代に技術を引き継ぐことを大きな課題としています。
出どころ:国土交通省「改正建設業法について」(令和6年12月)(総務省「労働力調査」をもとに国土交通省が計算)
20代で入る人は、建設業の中では少ない側です。
💡 ポイント
未経験の面接で見られるのは、工事の知識ではありません。体力と、年上の職人さんと話せるかです。
5. 施工管理に向かない人・向いている人
向かない人
次のような人は、入る前によく考えた方がいいです。
- 毎日、決まった時間に帰りたい人
- 人に頼みごとをするのが、強いストレスになる人
- 外を歩き回る仕事が、どうしても嫌な人
施工管理は、職人さんに作業をお願いして、予定どおりに動いてもらう仕事です。頼みごとが苦手なままだと、毎日がしんどくなりやすいです。ただ、「苦手」と「強いストレス」は違います。最初は苦手でも、慣れてくる人もいます。
向いている人
次のような人は、施工管理に向いています。
- 年上の人と話すのが、苦にならない人
- 体を動かす仕事が、嫌いではない人
- 「次に何をするか」を先に考えて動くのが、苦にならない人
部活やバイトで、年上の人と一緒に動いた経験がある人は、面接でその話をそのまま使えます。
迷っている人が、先に確かめたいこと
「やってみたいけど、続くか不安」という人は、次の3つを先に確かめてください。1つ目は、朝が早い生活を続けられるかです。2つ目は、休みの数です。週休2日の会社か、「4週間で6日休み」くらいの会社かで、生活は大きく変わります。
3つ目は、体力です。現場を歩いて回るので、1日中座っている仕事とは疲れ方が違います。この3つが合えば、未経験でも続けやすくなります。
6. 未経験から入っていい会社の見分け方
面接で聞いておきたい5つ
面接や求人票で、次のことを聞いてみてください。
- 入ってから最初の数か月、何をするのか
- 残業は、月に何時間くらいか
- 休みは週に何日か。現場ごと休みになるのか
- 一人で現場を任されるまで、どれくらいかかるか
- 資格の受験のお金を、会社が出してくれるか
答え方で、育てる準備があるかが分かる
これに具体的に答えられる会社は、未経験の人を育てる準備ができています。たとえば「最初の半年は先輩の現場について、写真の撮り方と書類から覚えてもらう」と答える会社は、育て方が決まっています。答えがあいまいな会社は、入る前にもう一度確かめた方が安全です。
どんな現場が多い会社かも聞く
同じ施工管理でも、現場の種類で働き方が変わります。国土交通省の資料では、公共工事の方が週休2日以上の割合が高いと書かれています。なので、面接では「公共工事と民間の工事、どちらが多いか」「建物か、道路や橋か」も聞いておくと、入ったあとの生活を想像しやすくなります。
聞きにくいときは、人材紹介の担当に代わりに聞いてもらう方法もあります。
私たちが扱っている求人
私たちは、施工管理の会社と人材紹介の契約を結んでいます。未経験から応募できる施工管理の求人も扱っています。
💡 ポイント
「最初の数か月に何をするか」に具体的に答える会社は、未経験の人を育てる準備ができています。
施工管理の未経験でよくある質問
まとめ
- 施工管理は、職人さんが動きやすいように段取りを組む仕事です。
- 「やめとけ」と言われる理由は、朝の早さ・休みの少なさ・終わりが近いときの忙しさです。
- 2024年4月から、建設業にも残業の上限ができました。
- 資格の第一次検定は、未経験でも19歳以上なら受けられます(1級)。
- 面接で見られるのは、体力と、年上の職人さんと話せるかです。
- 入る前に、残業・休み・最初の数か月の中身を聞けば、会社の準備が分かります。
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この記事を書いた人
Against株式会社 代表 芝山 駿
大手の人材会社2社で、約5年間キャリアアドバイザーとして働いてきました。
新卒と中途の両方で、1万人以上の就活・転職の相談を受けてきました。
その経験から、人事が本当に見ているところを書いています。






