
「第二新卒 やめとけ」と検索したあなたへ。早く辞めたら、次はもう雇ってもらえないのでは。そう不安になって検索した人もいると思います。この記事では、国の数字と、人事が第二新卒のどこを見ているかを順番に書きます。
✔ 結論
第二新卒の転職は、今動いた方がいい人と、もう少し待った方がいい人に分かれます。
大学を出て就職した人のうち、3年以内に辞めた人は31.2%でした(2023年3月卒業・厚生労働省が2026年10月に公表)。早く辞めること自体は、めずらしくありません。
人事が見ているのは、働いた期間の短さより、辞めた理由と次の会社を選んだ理由がつながっているかです。
目次
1. 第二新卒とは
まずは、第二新卒という言葉の意味と、早く辞める人がどれくらいいるかを確かめます。
法律で決まった言葉ではない
第二新卒は、法律で決まった言葉ではありません。学校を出て就職したあと、数年のうちに転職する人を、こう呼ぶことが多いです。どこまでを第二新卒と呼ぶかは、会社によって違います。
求人票に「卒業後3年以内」のように書いている会社もあれば、年数を書いていない会社もあります。採用の枠で言うと、第二新卒は新卒と中途の間にいます。
- 新卒:卒業する前に応募して、卒業してすぐ入社する人
- 中途:働いた経験があって、その経験を使って転職する人
- 第二新卒:働いた経験はあるが、期間が短く、これからを見て採用される人
新卒の枠で受けられる会社もあれば、中途の枠で受ける会社もあります。
大学を出て就職した人の31.2%が、3年以内に辞めている
厚生労働省は、毎年、学校を出て就職した人が3年以内に辞めた割合を出しています。2023年3月に大学を出て就職した人では、次のとおりでした。
- 1年目に辞めた人:11.0%
- 2年目に辞めた人:10.9%
- 3年目に辞めた人:9.3%
- 3年以内に辞めた人の合計:31.2%
3人に1人近くが、3年以内に最初の会社を辞めていることになります。
出どころ:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和5年3月卒業者)を公表します」(2026年10月23日公表)/同 別紙1
最初の会社を辞めた理由で多いのは
厚生労働省の「若年者雇用実態調査」(2023年10月時点・15〜34歳の働く人が対象)では、最初に勤めた会社を辞めた理由(3つまで選ぶ)は、次の順でした。
- 1位:労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった(28.5%)
- 2位:人間関係がよくなかった(26.4%)
出どころ:厚生労働省「令和5年『若年者雇用実態調査』の結果を公表します」(2024年9月25日)
働く時間や休みが合わなくて辞める人が、一番多いということです。
2. 「第二新卒はやめとけ」と言われる理由
「やめとけ」と言われる理由は、主に2つです。どちらも、動く前に確かめれば小さくできます。
次の会社でも、同じ理由で辞めてしまう
一番よく言われる理由は、これです。何が嫌だったかが分からないまま動くと、次の会社でも同じことが起きやすいです。たとえば、残業が嫌で辞めたのに、次の会社の残業時間を確かめずに入ると、同じ理由でまた辞めたくなります。
給料や待遇が下がる場合がある
未経験の仕事に移るときは、1社目より給料が下がる求人もあります。特に、1社目と全く違う仕事を選ぶと、経験がない人として見られます。「給料は下がってもいいから仕事を変えたい」のか、「仕事は同じでいいから働き方を変えたい」のかで、選ぶ求人が変わります。
逆に言うと、この2つを先に確かめておけば、「やめとけ」の理由は小さくなります。
「第二新卒は人生終了」「大手は無理」は本当か
人生終了ではありません。大学を出て就職した人のうち、31.2%が3年以内に仕事を辞めています(厚生労働省)。国も、卒業して3年以内の人を新卒の枠で受け付けるよう、会社に求めています。
これは「できるだけそうしてください」という決まりで、守らなくても罰はありません。また、一度就職した人を新卒の枠で受け付けるかどうかは、会社によって違います。
出どころ:千葉労働局(厚生労働省)「卒業後3年以内の既卒者は、『新卒枠』での応募受付を!」
大手が第二新卒を受け付けているかどうかも、会社ごとに違います。なお、働く人が1,000人以上の職場でも、大学を出て就職した人の24.2%が3年以内に辞めています(厚生労働省)。大きな会社に入った人も、4人に1人近くが辞めているということです。
💡 ポイント
早く辞めること自体は、めずらしくありません。「やめとけ」の本当の理由は、辞めた理由が分からないまま次を選ぶことです。
3. 第二新卒の面接で、人事が見ていること
ここからは、元人材会社の担当として、人事が第二新卒の面接で何を見ているかを書きます。
一番気にしているのは「うちでもすぐ辞めないか」
人事が一番気にしているのは、「この人は、うちでもすぐ辞めないか」です。働いた期間が短いこと自体より、辞めた理由の方を見ています。
そのため、面接では次のことをよく聞かれます。
- なぜ、今の会社を辞めようと思ったのか
- その理由は、うちの会社なら起きないのか
- 今の会社で、どんな仕事をしてきたか
辞めた理由と、次の会社を選んだ理由をつなげる
1つ目と2つ目がつながっていると、人事は安心します。たとえば「毎日、夜遅くまで帰れなかった」が理由なら、残業が少ない会社を選んだ理由まで話せると、話がつながります。逆に、「なんとなく合わなかった」だけだと、人事は「うちでも合わないかもしれない」と考えます。
前の会社の悪口だけで終わるのも、同じように心配されます。何が合わなかったのかを、事実で1つ話してください。
見られるのは、これからと、人と話す力
元人材会社のキャリアアドバイザー
芝山 駿
人材会社にいたときに見てきた中では、第二新卒の採用は、今の力よりもこれからを見る採用でした。
それでも面接では、前の会社を辞めた理由をよく聞かれます。
もう1つ見られるのは、人と話す力です。
ここは、新卒の採用と同じです。
1社目でしてきた仕事は、小さくても話せる
面接では、「今の会社で、どんな仕事をしてきたか」も聞かれます。第二新卒の採用は、今の力よりもこれからを見る採用です。大きな成果がなくても、それだけで落とされるわけではありません。なので、担当した仕事、覚えたこと、工夫したことを、事実で話せば十分です。
たとえば「電話で断られたときの返し方を、自分でメモにまとめて使っていた」のように、何をしたかが見える話し方が伝わります。つまり、1社目で大きな成果を出していなくても、話がつながっていて、普通に会話ができれば、受けられる会社はあります。
💡 ポイント
第二新卒の面接で見られるのは、辞めた理由と次の会社を選んだ理由のつながりと、人と話す力です。
4. 待った方がいい人と、動いていい人
第二新卒の転職は、全員が今すぐ動くべきものではありません。人事の見方から、待った方がいい人と動いていい人を分けます。
もう少し待った方がいい人
- 今の会社の何が嫌なのかを、自分でもまだ言えない人
- 嫌なことが今の部署や上司だけで、異動すれば無くなるかもしれない人
- 体調を崩している人(転職より先に、休むことと、医師への相談を優先してください)
何が嫌かを言えないまま動くと、面接で辞めた理由を聞かれたときに答えられません。
今動いていい人
- 嫌な理由がはっきりしていて、次の会社でそれが無いかを確かめられる人
- 今の仕事を続けるより、別の仕事を早く覚えたい人
- 働く時間や休みの条件が、今の会社ではどうしても変わらない人
最後の1つは、最初の会社を辞めた理由で一番多いものです(若年者雇用実態調査)。
迷ったときに、書き出したい3つ
動くか待つかで迷ったときは、次の3つを紙に書き出してみてください。
- 今の会社で、何が一番しんどいか
- それは、会社を変えないと変わらないことか
- 次の会社にそれが無いことを、どうやって確かめるか
3つ目まで書けたら、面接で話す内容もほぼできています。2つ目で「今の会社でも変えられるかもしれない」と思ったら、先に上司や人事に相談してみるのも1つの方法です。
転職したいと思っている若い正社員は、少なくない
同じ「若年者雇用実態調査」では、これから転職したいと思っている若い正社員(15〜34歳)は31.2%でした(前回の2018年の調査では27.6%)。※大学を出た人の離職率(31.2%)とは、別の調査の数字です。転職したい理由(いくつでも選ぶ)は、次の順でした。
- 1位:給料の条件がよい会社に変わりたい(59.9%)
- 2位:労働時間・休日・休暇の条件がよい会社に変わりたい(50.0%)
出どころ:厚生労働省「令和5年『若年者雇用実態調査』の結果を公表します」(2024年9月25日)
転職を考えること自体は、めずらしいことではありません。大事なのは、自分の理由がどれなのかをはっきりさせることです。
5. 辞める人が多い業界・会社の規模を知っておく
次の会社を選ぶ前に、辞める人が多い職場の傾向を、国の数字で見ておきます。
会社の規模で、辞める人の割合は違う
厚生労働省の発表では、2023年3月に大学を出て就職した人が3年以内に辞めた割合は、職場の大きさで次のように違いました。
- 働く人が5人未満の職場:58.2%
- 5〜29人:50.6%
- 30〜99人:39.7%
- 100〜499人:31.7%
- 500〜999人:29.0%
- 1,000人以上:24.2%
出どころ:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和5年3月卒業者)を公表します」(2026年10月23日公表)
職場が小さいほど、辞める人の割合が高くなっています。
辞める人が多い業界
同じ発表で、大学を出て就職した人が3年以内に辞めた割合が高かった業界は、次の5つでした。
- 宿泊業・飲食サービス業:49.9%
- 生活関連サービス業・娯楽業:49.8%
- 教育・学習支援業:42.3%
- 医療・福祉:39.1%
- 小売業:38.1%
数字が高い業界を、全部避けるという意味ではない
この数字は、その業界が悪いという意味ではありません。同じ業界の中でも、会社によって働き方は違います。ただ、辞めた理由で一番多いのは、働く時間や休みの条件でした。
なので、辞める人の割合が高い業界を受けるときは、残業の時間と休みの日数を、特に先に確かめておくと安心です。
6. 第二新卒で受けていい会社の見分け方
最後に、第二新卒を受け入れる準備ができている会社の見分け方を書きます。
面接で聞いておきたいこと
次のことに具体的に答えてくれる会社は、第二新卒を受け入れる準備ができています。
- 入ってから最初の数か月、何をするのか
- 未経験の仕事なら、誰に、どう教わるのか
- 残業は、月に何時間くらいか
- 休みは週に何日か
求人票で見ておきたい言葉
求人票に次のような言葉がある会社は、第二新卒を受け入れることを考えています。
- 「第二新卒歓迎」
- 「卒業後〇年以内の方」
- 「職種未経験の方も歓迎」
反対に、「〇〇の経験3年以上」のように経験の年数を条件にしている求人は、経験のある人を探している求人です。第二新卒で受けるなら、まずは上の言葉がある求人から見ていくと、無駄が少なくなります。
辞めた理由を聞いてくれる会社
あなたが前の会社を辞めた理由を、面接でしっかり聞いてくれるかも大事です。辞めた理由を聞く会社は、同じ理由で辞めない人かどうかを確かめようとしています。それは、入ったあとに長く働いてほしいと考えている、ということです。
国の認定やサイトで確かめる
会社を選ぶときは、国の認定やサイトも使えます。ユースエール認定
若い人の採用や育成に力を入れていて、働き方の条件が良い中小企業を、厚生労働大臣が認定する制度です。認定の条件には、次のようなものがあります。
- 直近3年間に新卒などで正社員として入った人の離職率が20%以下
- 前の年の正社員の残業が、月平均20時間以下
- 前の年の正社員の有給休暇の取得率が平均70%以上、または年平均10日以上
出どころ:厚生労働省「ユースエール認定制度」
しょくばらぼ
厚生労働省の「職場情報総合サイト しょくばらぼ」では、会社の働き方や採用の状況を調べて、比べることができます。2026年11月1日時点で、155,264件の会社が載っています。
💡 ポイント
「最初の数か月に何をするか」「辞めた理由」をしっかり聞いてくれる会社は、長く働いてほしいと考えている会社です。
第二新卒でよくある質問
まとめ
- 大学を出て就職した人の31.2%が、3年以内に辞めています(厚生労働省)。
- 最初の会社を辞めた理由で一番多いのは、働く時間や休みの条件でした。
- 人事は、働いた期間の短さより、辞めた理由を見ています。
- 辞めた理由と、次の会社を選んだ理由がつながっていれば、第二新卒でも受けられる会社はあります。
- 何が嫌かを言えないうちは、もう少し待った方がいいです。
- ユースエール認定やしょくばらぼで、働き方の条件を先に確かめられます。
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この記事を書いた人
Against株式会社 代表 芝山 駿
大手の人材会社2社で、約5年間キャリアアドバイザーとして働いてきました。
新卒と中途の両方で、1万人以上の就活・転職の相談を受けてきました。
その経験から、人事が本当に見ているところを書いています。









