
「第二新卒 いつまで」と検索したあなたへ。「第二新卒のうちに動かないと」と言われて、焦っている人もいると思います。この記事では、「いつまで」「何歳まで」を、国の決まりと人事の見方で順番に書きます。
✔ 結論
第二新卒が「いつまで」かは、法律では決まっていません。どこまでを第二新卒として受け付けるかは、会社ごとに違います。
「卒業して3年」は、国の指針に出てくる数字です。会社に、卒業して少なくとも3年間は新卒の枠に応募できるようにすることを求めています。
人事が見ているのは、卒業して何年目かより、辞めた理由と次の会社でやりたいことのつながりです。
目次
1. 第二新卒は、法律で決まった言葉ではない
まず、「いつまで」の答えが人によって違う理由から書きます。
何年目までかは、会社が決めている
学校を出て就職したあと、数年のうちに転職する人を、第二新卒と呼ぶことが多いです。第二新卒は、法律で決まった言葉ではありません。そのため、何年目までを第二新卒とするかは、会社が決めています。
求人票の書き方は、会社ごとに違う
求人票に「卒業後〇年以内」と書いている会社もあります。年数を書いていない会社もあります。「第二新卒歓迎」とだけ書いて、年数を決めていない会社もあります。
なので、「自分はもう第二新卒じゃないかも」と思っても、求人票を見るまでは分かりません。
新卒・既卒・第二新卒の違い
似た言葉に、既卒があります。
- 新卒:卒業する前に応募して、卒業してすぐ入社する人
- 既卒:学校を卒業したあと、正社員として就職していない人
- 第二新卒:学校を出て一度就職し、数年のうちに転職する人
既卒も第二新卒も、法律で決まった言葉ではありません。会社によって使い方が少し違います。
2. 「卒業して3年」は、国の指針に出てくる数字
「第二新卒は3年以内」とよく言われるのは、国の指針に「3年」という数字が出てくるからです。
指針が会社に求めていること
厚生労働省は、若い人の雇用についての法律(青少年の雇用の促進等に関する法律)にもとづいて、会社向けの指針を出しています。この指針は、卒業した人が、卒業してから少なくとも3年間は新卒の枠に応募できるようにすることを、会社に求めています。できるだけ年齢の上限を設けないことも、会社に求めています。
どちらも「できるだけそうしてください」という決まりです。守らなくても罰はありません。
出どころ:千葉労働局(厚生労働省)「卒業後3年以内の既卒者は、『新卒枠』での応募受付を!」
もとは、就職が決まらずに卒業した人のための決まり
この指針は、在学中に就職先が決まらないまま卒業した人のことを主に考えたものです。一度就職した人を新卒の枠で受け付けるかどうかは、会社によって違います。「卒業後3年以内なら、どの会社でも新卒の枠で受けられる」という意味ではないので、気をつけてください。
新卒の枠で応募すると、会社に聞けること
新卒の人などを条件にした募集では、応募する人が求めたときに、会社は職場の情報を出すことが法律で決まっています。対象には、学校を卒業した人も入ります。そのため、新卒の枠に応募できる第二新卒の人も、この情報を求められます。会社は、次の3つの種類から、それぞれ1つ以上を出す義務があります。
- 採用の状況:過去3年間の新卒の採用人数と辞めた人数、平均の勤続年数など
- 育て方:研修があるか、その中身、相談役の先輩がつく仕組みがあるかなど
- 働き方:前の年の月平均の残業時間、有給休暇の平均の取得日数など
出どころ:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「就労実態等に関する職場情報を応募者に提供する制度について」
前の会社を残業や休みで辞めた人は、ここで先に数字を確かめられます。
「ユースエール認定」の会社は、卒業後3年以内の人も応募できる
ユースエール認定は、若い人の採用や育成に力を入れていて、働き方の条件が良い中小企業を、厚生労働大臣が認定する制度です。認定の条件の1つに、若い人向けの正社員の募集で、少なくとも卒業後3年以内の人が応募できること、があります。ほかにも、次のような条件があります。
- 直近3年間に新卒などで正社員として入った人の離職率が20%以下
- 前の年の正社員の残業が、月平均20時間以下
出どころ:厚生労働省「ユースエール認定制度」
卒業して3年以内の人が会社を探すときの目安の1つになります。
💡 ポイント
「卒業後3年」は、国が会社に「できるだけ新卒の枠で受け付けて」と求めている期間です。一度就職した人を受け付けるかは、会社ごとに違います。
3. 「第二新卒は何歳まで?」年齢の決まり
「いつまで」と一緒によく検索されるのが「何歳まで」です。ここは法律で決まっていることがあります。
募集で年齢の上限を決めるのは、原則禁止
会社が募集で年齢の上限を決めることは、法律で原則として禁止されています(労働施策総合推進法)。求人票では年齢不問と書きながら、実際には年齢を理由に断ることも、法律に反します。
出どころ:厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」
例外:若い人を正社員で長く育てる募集
ただし、例外がいくつかあります。その1つが、若い人を正社員として長く育てるための募集です。この場合は、年齢の上限を決めてもいいことになっています。
厚生労働省の資料では、ここでいう「若い人」は、基本的には35歳未満を考えている、と書かれています。ただし、35歳未満に限るわけではない、とも書かれています。
出どころ:厚生労働省 リーフレット「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」(令和7年4月1日時点)
年齢の上限がある求人に付いている条件
この例外で年齢の上限を決める求人には、次の条件があります。
- 期間の決まりがない契約(正社員など)であること
- 仕事の経験を問わないこと
- 新卒以外の人も、新卒と同じように育てること
- 「18歳以上」のような下の年齢は書けないこと
つまり、「〇歳未満・経験不問」と書いてある正社員の求人は、若い人を一から育てるつもりの求人です。第二新卒の人にとっては、受けやすい求人と言えます。なお、「〇年3月に大学を卒業する見込みの人」のように、卒業する年を書いて新卒だけを募集する求人は、年齢の制限には当たりません。
ただし厚生労働省は、この場合も、新卒以外の若い人に応募の機会を開くよう努めてほしい、と会社に求めています。
出どころ:厚生労働省 リーフレット「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」(令和7年4月1日時点)
4. 3年以内に辞める人は、めずらしくない
「3年以内に辞めるのは自分だけでは」と思う人もいるかもしれません。国の数字を見てみます。
大学を出て就職した人の31.2%が、3年以内に辞めている
2023年3月に大学を出て就職した人のうち、3年以内に辞めた人は31.2%でした。前の年の発表より、2.6ポイント下がっています。
出どころ:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和5年3月卒業者)を公表します」(2026年10月23日公表)
1年目・2年目・3年目で、同じくらいの人が辞めている
辞めた時期で分けると、次のとおりです。
- 1年目に辞めた人:11.0%
- 2年目に辞めた人:10.9%
- 3年目に辞めた人:9.3%
どの年も、同じくらいの人が辞めています。
出どころ:同 別紙1
「3年目まで我慢しないといけない」という決まりはありません。
最初の会社を辞めた理由で多いのは
厚生労働省の「若年者雇用実態調査」(2023年10月時点・15〜34歳の働く人が対象)では、最初に勤めた会社を辞めた理由(3つまで選ぶ)は、次の順でした。
- 1位:労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった(28.5%)
- 2位:人間関係がよくなかった(26.4%)
出どころ:厚生労働省「令和5年『若年者雇用実態調査』の結果を公表します」(2024年9月25日)
会社の規模で、辞める人の割合は違う
同じ発表では、3年以内に辞めた割合は、職場の大きさで違いました(大学を出て就職した人)。
- 働く人が5人未満の職場:58.2%
- 30〜99人:39.7%
- 1,000人以上:24.2%
出どころ:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和5年3月卒業者)を公表します」(2026年10月23日公表)
大きな会社でも、4人に1人近くが3年以内に辞めています。
💡 ポイント
大学を出て就職した人の31.2%が、3年以内に辞めています。1年目・2年目・3年目で、同じくらいの人が辞めています。
5. 第二新卒の面接で、人事が見ていること
ここからは、元人材会社の担当として、人事が第二新卒のどこを見ているかを書きます。
年数より、辞めた理由
元人材会社のキャリアアドバイザー
芝山 駿
人材会社にいたときに見てきた中では、第二新卒の採用は、今の力よりもこれからを見る採用でした。
それでも面接では、前の会社を辞めた理由をよく聞かれます。
人事は、「この人は、うちでもすぐ辞めないか」を気にしているからです。
つまり、人事が見ているのは「卒業して何年目か」だけではありません。辞めた理由と、次の会社でやりたいことがつながっているかを見ています。
人と話す力は、新卒と同じように見られる
もう1つ見られるのは、人と話す力です。ここは、新卒の採用と同じです。聞かれたことに、短く、事実で答えられるかが見られます。
辞めた理由の話し方
辞めた理由は、次の順番で話すと、人事に伝わりやすくなります。
- 前の会社で、何が合わなかったか(事実を1つ)
- それを変えるために、自分で何をしたか
- 次の会社では、なぜそれが起きないと思ったか
たとえば「休みの日にも連絡が来る働き方が合わなかった。上司に相談したが変わらなかった。御社は休みの日数と働き方を面接で説明してくれたので応募した」という形です。前の会社の悪口だけで終わると、人事は「うちでも同じことを言うかもしれない」と考えます。
3年を過ぎたら、経験のある人として応募する
3年を過ぎた人を第二新卒として受け付けるかどうかは、会社ごとに違います。ただ、それで転職ができなくなるわけではありません。前の会社で働いた経験を話して、経験のある人として応募する方法もあります。
3年働いた人は、1年目の人よりも、話せる仕事の中身が増えています。「何年目か」より、「何をしてきたか」で見てもらえる応募のしかたに変わる、ということです。
6. 待った方がいい人・動いていい人と、受けていい会社
最後に、「いつまで」に焦って動く前に確かめたいことを書きます。
もう少し待った方がいい人
- 今の会社の何が嫌なのかを、自分でもまだ言えない人
- 体調を崩している人(転職より先に、休むことと、医師への相談を優先してください)
何が嫌かを言えないまま動くと、面接で辞めた理由を聞かれたときに答えられません。
今動いていい人
- 辞めたい理由がはっきりしていて、次の会社でそれが無いかを確かめられる人
- 「第二新卒のうちに」という焦りより、辞めたい理由の方がはっきりしている人
「いつまで」に追われて動くと、次の会社を選ぶ理由が「急いでいたから」になってしまいます。期限を気にするより、理由をはっきりさせる方が先です。
受けていい会社の見分け方
次のような会社は、第二新卒を受け入れる準備ができています。
- 求人票に「第二新卒歓迎」や「卒業後〇年以内」と書いてある会社
- 未経験の仕事なら、入ってから誰に、どう教わるのかを説明してくれる会社
- 面接で、あなたが前の会社を辞めた理由を聞いてくれる会社
辞めた理由を聞く会社は、同じ理由で辞めない人かを確かめようとしています。それは、入ったあとに長く働いてほしいと考えている、ということです。求人票に年数が書いていない会社は、「一度就職して〇年目ですが、応募できますか」と聞いてかまいません。応募できるかを確かめるのは、普通の質問です。
💡 ポイント
「第二新卒のうちに」と焦る必要はありません。期限より先に、辞めたい理由と次の会社でやりたいことをはっきりさせてください。
第二新卒がいつまでかでよくある質問
まとめ
- 第二新卒が「いつまで」かは、法律では決まっていません。会社ごとに違います。
- 国の指針は、卒業後少なくとも3年間は新卒の枠に応募できるよう、会社に求めています。
- 募集で年齢の上限を決めることは原則禁止です。若い人を育てる正社員の募集は例外で、基本的に35歳未満が考えられています。
- 大学を出て就職した人の31.2%が、3年以内に辞めています(厚生労働省)。
- 人事は、年数よりも、辞めた理由と次にやりたいことのつながりを見ています。
- 3年を過ぎても、経験のある人として応募する方法があります。
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この記事を書いた人
Against株式会社 代表 芝山 駿
大手の人材会社2社で、約5年間キャリアアドバイザーとして働いてきました。
新卒と中途の両方で、1万人以上の就活・転職の相談を受けてきました。
その経験から、人事が本当に見ているところを書いています。






