
「文系 就職 営業しかない」と検索したあなたへ。求人を見ていると、営業の募集ばかりが目に入って、不安になった人もいると思います。この記事では、私たちが実際に扱っている28卒の求人を数えた結果で答えます。
✔ 結論
文系の新卒の求人に営業が多いのは、本当です。ただし、「営業しかない」わけではありません。
私たちが扱う28卒の求人129件のうち、営業と決まっている求人は65件(約半分)でした。
入社してから仕事が決まる求人が29件、営業以外の仕事の求人が35件ありました。
国の調査でも、文系の学部を出て就職した人の3人に1人ほどは、事務の仕事に就いていました。
目次
1. 文系の就職は、本当に営業しかないのか
文系の新卒の求人に、営業が多いのは本当
結論から言うと、文系の新卒の求人に営業が多いのは本当です。
私たちが扱っている28卒の求人は、2026年11月6日時点で129件ありました。そのうち、営業の仕事に就く可能性がある求人は94件でした。
営業と決まっている求人は、129件のうち65件
ただ、この94件には「入社してから仕事が決まる」求人が29件入っています。
営業と決まっている求人は、129件のうち65件でした。総合職(営業)が49件、営業職が16件です。
129件の約半分です。残りの約半分は、営業と決まっていない求人です。
知恵袋にも、同じ質問があった
Yahoo!知恵袋にも、同じ質問がありました。
「文系の就職ってほとんど営業しかないって本当ですか?」
(出どころ:Yahoo!知恵袋・2015年の質問)
10年以上前の質問ですが、同じ不安を持つ文系の学生は今もいます。
国の調査では、文系の学部を出た人の3人に1人は事務の仕事に就いていた
文部科学省の「学校基本調査」では、大学を出て就職した人が、どんな仕事に就いたかを数えています。学校基本調査は、全国の大学を対象にした国の調査です。2025年3月に大学を出て就職した人のうち、人文科学(文学部など)と社会科学(経済学部・法学部など)の学部を出た人を見ると、次のとおりでした。
| 就いた仕事 | 人文科学 | 社会科学 |
|---|---|---|
| 事務の仕事 | 34.2% | 35.9% |
| 販売の仕事(営業を含む) | 30.4% | 34.6% |
| 専門的・技術的な仕事 | 19.1% | 16.8% |
| サービスの仕事 | 10.2% | 5.6% |
出どころ:文部科学省「学校基本調査(令和7年度)」旧報告書掲載集計 79 職業別 就職者数(大学)(就職した人の数から割合を計算。2025年3月卒・2025年12月26日公表)
「販売の仕事」には、営業のほかに、お店での販売なども入っています(総務省の職業の分け方による)。文系の学部を出た人では、営業を含む販売の仕事と、事務の仕事が、どちらも3人に1人ほどでした。
私たちが扱う28卒の求人に営業が多いのは本当です。ただ、文系の学部を出た人全体で見ると、営業だけに就いているわけではありません。
2. 28卒の求人に、営業はどれくらいあるか
仕事の書き方で分けた129件
私たちが扱っている28卒の求人を、仕事の種類で分けました(2026年11月6日時点・129件)。
| 仕事の書き方 | 件数 |
|---|---|
| 総合職(営業) | 49件 |
| 営業職 | 16件 |
| 総合職(入社後に仕事が決まる) | 29件 |
| それ以外の仕事 | 35件 |
「総合職(営業)」と「営業職」
「総合職(営業)」は、総合職として入社して、営業をする求人です。「営業職」は、営業の仕事として募集している求人です。どちらも営業の仕事なので、営業と決まっている求人は、49件と16件を足した65件です。
「入社後に仕事が決まる」求人29件
「総合職(入社後に仕事が決まる)」は、入社してから会社が仕事を決める求人です。営業になる人もいますし、ほかの仕事になる人もいます。なので、この29件は「営業かもしれないし、営業以外かもしれない」求人です。
学歴の条件と働く場所
同じ129件のうち、104件は大学名を問わない学歴不問の求人でした。ただし、学歴不問の104件のうち10件は、「会社ごとの大学リストを確かめてから紹介する」決まりになっていました。
働く場所は、東京が99件、大阪が74件、兵庫が40件、京都が30件でした(1つの求人に複数の場所があるので、重なりがあります)。大阪・京都・兵庫のどれかで働ける求人は、80件ありました。
3. 文系の求人に営業が多いのは、なぜか
営業は、会社の売上を作る仕事
営業は、会社の売上を作る仕事です。物やサービスを売っている会社には、営業の仕事があります。
営業は、大学で学んだ専門がなくても始められる
それに、営業は大学で学んだ専門がなくても始められる仕事です。そのため、会社は学部を問わずに営業を募集できます。その結果、文系の学生が受けられる求人に、営業が多くなります。
1章で見た国の調査でも、2025年3月に社会科学の学部を出て就職した人の34.6%が、営業を含む販売の仕事に就いていました。
大学名でしぼらない会社は、面接で人柄を見ていた
私は、大手の人材会社2社で約5年、就活と転職の相談を受けてきました。その中で見てきた中では、大学名で学生をしぼっていなかった会社は、面接で人柄を見ていました。営業は、お客さんと話すことが中心の仕事です。だから、会って話してから決めたいと考える会社があります。
会社が選考で「専門性」を重視した割合は12.0%
経団連(日本の会社が入っている経済団体)の2018年度の調査では、会社が選考で特に重視した点を、20の項目から5つ選ぶ形で聞いています。この調査で「専門性」を選んだ会社は12.0%でした。
出どころ:経団連「2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」
新卒の選考では、大学で学んだ専門より、別の点を重視する会社が多かったということです。
💡 ポイント
営業は、大学で学んだ専門がなくても始められる仕事です。そのため、学部を問わない新卒の求人に、営業が多くなります。
4. 営業にはどんな種類があるか
「営業」とひとことで言っても、毎日やることは会社によってかなり違います。営業は、主に次の3つで分かれます。
売る相手で分ける:会社に売るか、個人に売るか
会社に売る営業を「法人営業」と呼びます。個人のお客さんに売る営業を「個人営業」と呼びます。法人営業では、相手の会社の担当者と話します。個人営業では、お客さん一人ひとりと話します。
お客さんとの関係で分ける:新しいお客さんか、今のお客さんか
新しいお客さんを探す営業を「新規営業」と呼びます。新規営業では、まだ取引のない会社や人に連絡するところから始めます。今のお客さんのところを回る営業を「ルート営業」と呼びます。
ルート営業では、取引のある会社に決まって通います。そこで困りごとを聞いて、必要な物を届けます。
売る物で分ける:形のある物か、サービスか
車や住宅など、形のある物を売る営業があります。広告やシステムなど、サービスを売る営業もあります。
「営業はきつい」と聞いたら
「営業はきつい」という話を聞くことがあるかもしれません。その話が、どの種類の営業の話かを確かめてください。新しいお客さんを探す営業と、今のお客さんを回る営業では、毎日やることが違います。
5. 「営業に向いてない」と思っている人へ
会社が選考で特に重視した点の1位は「コミュニケーション能力」
会社が選考で見ている力は、営業だけのものではありません。経団連の2018年度の調査では、会社が選考で特に重視した点の上位5つは次のとおりでした。
| 順位 | 選考で特に重視した点 | 選んだ会社の割合 |
|---|---|---|
| 1位 | コミュニケーション能力 | 82.4% |
| 2位 | 主体性 | 64.3% |
| 3位 | チャレンジ精神 | 48.9% |
| 4位 | 協調性 | 47.0% |
| 5位 | 誠実性 | 43.4% |
出どころ:経団連「2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」
(2019年4月に入社する人の採用についての調査です。597社が回答しました)
この調査は、営業の採用だけを聞いたものではない
この調査は、営業の採用だけを聞いたものではありません。新卒の採用全体で、会社が重視した点を聞いています。コミュニケーション能力は、この調査で16年続けて1位でした。
6位から下の項目
同じ調査では、20の項目すべての結果も出ています。6位から下は次のとおりです(「その他」を除く)。
| 項目 | 選んだ会社の割合 |
|---|---|
| ストレス耐性 | 35.2% |
| 論理性 | 23.6% |
| 責任感 | 22.1% |
| 課題解決能力 | 19.8% |
| リーダーシップ | 17.1% |
| 柔軟性 | 15.0% |
| 潜在的可能性(ポテンシャル) | 13.5% |
| 専門性 | 12.0% |
| 創造性 | 11.1% |
| 信頼性 | 10.9% |
| 一般常識 | 6.5% |
| 語学力 | 6.2% |
| 履修履歴・学業成績 | 4.4% |
| 留学経験 | 0.5% |
「専門性」を選んだ会社は12.0%、「語学力」を選んだ会社は6.2%でした。
人と話す力は、営業以外の仕事でも見られる
元人材会社のキャリアアドバイザー
芝山 駿
人材会社では、社会に出て数年以内の人の転職も手伝ってきました。
その面接でも、人と話す力は新卒と同じように見られていました。
人と話す力は、営業以外の仕事でも見られます。
だから、営業を外すかどうかより、どの種類の営業なら続けられそうかを考えるほうが、選べる会社が増えます。
💡 ポイント
会社が選考で特に重視した点の1位は、営業かどうかに関係なく「コミュニケーション能力」でした。営業を外しても、人と話す力は見られます。
6. 営業以外の道はあるか
129件のうち35件は、営業以外の仕事
あります。私たちが扱っている28卒の求人でも、129件のうち35件は営業以外の仕事でした(2026年11月6日時点)。入社後に仕事が決まる求人29件も、営業以外の仕事に就く可能性があります。
営業以外の35件が、それぞれ何の仕事かは数えていません。
文系の学部を出て、ITの技術者になった人もいる
1章で見た学校基本調査では、「専門的・技術的な仕事」の中身も分けています。2025年3月に人文科学・社会科学の学部を出て就職した人のうち、ITの技術者(情報処理・通信技術者)になった人は8.0%でした。
出どころ:文部科学省「学校基本調査(令和7年度)」旧報告書掲載集計 79 職業別 就職者数(大学)
人数にすると、23万2,114人のうち1万8,586人です。ITの技術者は、理系の学部の人だけの仕事ではありません。文系の学部を出て就く人もいます。
会社の中には、営業のほかにも仕事がある
会社の中には、営業のほかにも仕事があります。たとえば、事務・経理・人事・総務・企画などです。1章で見た国の調査では、2025年3月に人文科学の学部を出て就職した人の34.2%、社会科学の学部を出た人の35.9%が、事務の仕事に就いていました。
入社後に仕事が決まる求人は、何を確かめればいいか
入社後に仕事が決まる求人では、どの仕事になるかは入社するまで分かりません。気になる人は、これまでの新卒がどの仕事に就いてきたかを、面接で会社に聞いてみてください。若者の雇用についての法律(若者雇用促進法)には、新卒などを募集する会社に、職場の情報を出してもらう仕組みもあります。
出してもらえる情報には、「研修があるかと、その中身」や「過去3年間の新卒の採用人数と辞めた人数」が入っています。
出どころ:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「就労実態等に関する職場情報を応募者に提供する制度について」
同じ資料には、情報を求めたことを理由に、会社がその人を不利に扱ってはいけないとも書かれています。
💡 ポイント
営業以外の求人は35件、入社後に仕事が決まる求人は29件ありました。営業と決まっていない求人は、129件の約半分です。
文系の就職でよくある質問
まとめ
- 文系の新卒の求人に、営業が多いのは本当です。
- 私たちが扱う28卒の求人129件のうち、営業と決まっている求人は65件でした。
- 国の調査では、文系の学部を出て就職した人のうち、営業を含む販売の仕事と事務の仕事が、どちらも3人に1人ほどでした(2025年3月卒)。
- 営業は、売る相手・お客さんとの関係・売る物で、中身がかなり違います。
- 会社が選考で特に重視した点の1位は、営業かどうかに関係なく「コミュニケーション能力」でした(経団連・2018年度・82.4%)。
- 営業以外の仕事の求人は35件、入社後に仕事が決まる求人は29件ありました。
営業にもいろいろな種類があり、営業以外の求人もあります。どちらも知っておくと、受けられる会社が増えます。
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この記事を書いた人
Against株式会社 代表 芝山 駿
大手の人材会社2社で、約5年間キャリアアドバイザーとして働いてきました。
新卒と中途の両方で、1万人以上の就活・転職の相談を受けてきました。
その経験から、人事が本当に見ているところを書いています。







